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化粧品かぶれ&にきびと化粧

はじめに

女性が化粧をする理由は何でしょうか。「身だしなみのため?」「紫外線防止のため?」「より美しくなるため?」「それとも、皆がしているから?」
「化粧をしないと、恥ずかしくて外を歩けない」という言葉をよく聞きますが、それほど女性にとって重要な化粧品なのに、肌にとっては必ずしも安全とはいえない現状があります。それは、肌にとって、肌に塗るものは全て異物だからです。化粧品だけが例外ということは、ありえないのです。ですから、いつでも、誰でも、化粧品にかぶれる可能性はあるのです。
このページでは、化粧品かぶれについてよく受ける質問を中心に、化粧品かぶれの疑問と診断、治療について、にきびと化粧についてまとめてみました。ぜひ、ご一読ください。

化粧品かぶれ

Q ずっと使っている化粧品なら、大丈夫なんでしょう?
A どんな化粧品でも、肌にとっては異物です。異物が触れている状態の皮膚は異物を、「私じゃないものがくっついている!」と不快に思っています。その不満がたまりにたまって爆発した結果が、症状となって現われるのです。だから、長く使用しているものほどかぶれる可能性が高いのです。

Q 目のまわりだけだから、アイシャドウだけやめればいいんじゃないの?
A 例えば、目のまわりに症状が出た場合は、まずアイシャドウ、アイライン、目薬を疑います。が、もう一つ、目のまわりは顔の皮膚の中でも特に弱いので、症状が真っ先に出る場所でもあるのです。だから、化粧水、乳液も含めて、目のまわりに触れる全てのものを疑う必要があります。

にきびの時の化粧について

にきびが悪化する原因として、寝不足やストレスの他に、次の2つがあります。

  • 毛穴をふさぐ化粧品
  • 脂っぽい肌

そこで・・・
(1)ファンデーション、おしろいのような粉の化粧品は極力避け、化粧品、乳液程度にとどめておいてください。
(2)化粧品、乳液は、脂性肌用のものを使ってください。

それでもどうしても化粧をしなければいけない時は・・・
【1】ファンデーションは避け、ポイントメイクで工夫する。
【2】どうしてもファンデーションを塗る時は・・・

  • 厚塗りをしない。
  • 必要がなくなったら、すぐにしっかりクレンジングをして落とす。
  • 長時間になる時は、途中で一度洗顔をして、化粧をしなおす。

【3】にきび肌用のファンデーション


付録:勘違い注意報!!

皮膚がかさつくのは、皮膚の脂分が少ないからだと勘違いしていませんか?皮膚の乾燥は保湿の問題であって、脂っぽいのとはまた別です。
ホルモンなどの影響でモイスチャーバランスが崩れると、皮膚の脂分が多くなり、水分が少なくなります。ですから、皮膚が脂っぽくて乾燥している人は、脂性肌用でなおかつ保温能力の高い化粧品を使ってください。


Q 化粧品を変えればいいんでしょう?
A たとえ化粧品を変えても、そこにかぶれの原因となっている成分が含まれていれば、またかぶれます。

じゃぁ、どうすればいいのよぉ!
化粧ができないじゃないのよぉ!

それでは、次に治療と診断について説明しましょう。

第一に・・・
症状のある時は、全ての化粧品をすっぱりとやめて、治療に専念します。きちんと治療すれば、まず5~7日ほどでいったんは治まります。

  • 未練にかられて「これならいいかな」と勝手に化粧品を選んで使うことは、しないでください。この時点では、どの化粧品がかぶれの原因なのか、決定できないからです。
  • 治療をしながら化粧を続けるというのは、チョコレートをほおばったまま歯を磨くのと、同じ行為です。
    絶対にやめてください。そのような姿勢の方に対しては、責任を負いかねます。

第二に・・・
いったん治ったあと、もう一度化粧をしてみて、再び症状が出るようであれば、化粧品かぶれの可能性が高いです。そうなると、原因となる化粧品を確かめる必要があります。それには、パッチテストという方法しかありません。

パッチテストの方法について

1日目:持っている化粧品を全て持ってきてもらい、特殊なばんそうこうに一種類ずつ塗って、それを腕か背中に貼ります。
2日目:診察はありません。ばんそうこうは、勝手に取らないでください。
3日目:ばんそうこうを取って印をつけ、反応を見て、ばんそうこうを貼らずにもう一日様子を見ます。
4日目:もう一度反応を見ます。

注意1:いったん治ってからでないと、テストはできません。
注意2:テストは、ほぼ48時間後と72時間後の反応を見なければなりません。午後の診察だと、どうしても木曜か土曜にかかるので全て午前中の診察にきていただかないと、テストはできません。
注意3:テスト終了まで入浴は禁止です。

こうして原因がわかれば、その化粧品の使用を中止します。
また、この時反応が出なかったからといって、全く安全とはいえません。まだ肌の不満が爆発するまでたまっていない、ということだと認識してください。

顔は、薬の副作用が起きやすい場所です。症状が出たら薬を塗ればいい、と薬に頼るのではなく、かぶれを起こさないよう予防することに努めてください。薬もまた、肌にとっては異物なのですから・・・

付:最近、化粧品かぶれの他に多いのが、毛染剤によるかぶれです。これも、化粧品同様一度かぶれると次もかぶれる可能性が高いので、一度かぶれたら使用を中止してください。

正しい軟膏の使い方

湿疹の薬-ステロイド剤、その他

【塗り方のコツ】

  • 症状のあるところにだけ
  • 一日に何回も(最低3回以上)
  • すこしべとつく程度に薄くのばす
  • すり込む

(1)「塗り方のコツ」を、必ず守りましょう。薬は、一回塗るだけでは意味がありませんし、一度にベタベタつけるのは、薬の無駄遣いになります。 (2)赤みがとれて、皮膚がもとの状態になれば、すぐに薬をやめて皮膚を休ませてください。毎日ダラダラとつけ続けるのは副作用のもとです。
(3)薬の貸し借りは厳禁です!
似た症状の人から薬をもらって塗った、という話をよく聞きますが、薬はその人それぞれの症状に合わせて処方されたものです。
たとえ似た症状であっても、医師の目で見れば違うこともありますので、必ず診察を受けることをお勧めします。
(4)石けんを使って洗ってください。皮膚の汚れは、湿疹の大きな原因となりますので、たとえ症状があって薬を使っている時でも、石けんを使って洗い、皮膚を清潔に保つようにしてください。

☆必ず医師の指示に従い、正しい軟膏の使い方をしましょう。

水虫の薬

【塗り方のコツ】

  • 広範囲に(足なら、足の裏全体に)
  • 一日2~3回
  • 少しべとつく程度に薄くのばす
  • すり込む
  • 半年は塗り続ける

(1)「塗り方のコツ」を必ず守りましょう。特に「広範囲に」というのは、水虫の原因であるかびは、症状のある所以外にもひそんでいるからです。
(2)かゆみがおさまれば、治ったと考えて薬をやめ、また再発というパターンを繰り返して、結局「水虫は治らないんだ」と諦めてはいませんか?水虫を退治する鍵は、症状のない時期にどう努力するかということにかかっています。特にかびの勢いが弱まる冬は、水虫退治の絶好の機会です。症状のない時期こそ、根気よく塗り続けてください。
(3)水虫の薬は、かぶれることがあります。人によって、水虫の薬でかぶれることがありますが、それは薬を塗ってみないとわかりません。初めて水虫の薬をもらったら、1週間後に必ず診察を受けてください。

白髪染めは身体に大丈夫か

「いつまでも黒い髪を保ちたい」という思いは、昔からの女性の願いですが、最近では男性にもこの願いは強いようです。

では、白髪染めは体にとって大丈夫なものなのでしょうか。結論から言いますと、白髪染めで問題になるのは、かぶれを起こしたときです。

一般に、白髪染めには、ヘアカラーやヘアダイなどの永久染毛剤、ヘアマニキュアなどの半永久染毛剤、ヘアスプレーなどの一時毛髪着色料の3種類があります。

このうち、かぶれを起こすのは、ほとんどが永久染毛剤です。永久染毛剤の主成分であるパラフェニレンジアミンや、パラトルエンジアミンという化学物質が、かぶれを起こします。

白髪染めのかぶれは、髪の毛のある頭よりも、むしろ顔や項(うなじ)に症状がひどく現れます。特に、まぶたが真っ赤になって腫れ上がり、頭や髪の生え際、あるいは耳たぶや項にもブツブツが現れ、非常に痒くなってきます。

白髪染めによるかぶれは、初めて白髪染めをしてから何回か後に起こってきます。したがって、前回には大丈夫であっても、次に白髪を染めた時にかぶれを起こすことは、よく経験されることです。さらに、白髪染めをくりかえすたびに症状はひどくなり、全身に症状が起こってくることがあります。

また、一度白髪染めでかぶれを起こした人は、ゴム製品や皮製品、あるいはある種の麻酔薬などにアレルギー反応を起こす可能性もあり、注意が必要です。これは、パラフェニレンジアミンなどが、ゴムや麻酔薬の成分に反応してアレルギー反応を起こすからです。

永久染毛剤でかぶれを起こした人は、パラフェニレンジアミンなどを含まない半永久染毛剤や、一時毛髪着色料を使うことをお勧めします。パラフェニレンジアミンを含まない永久染毛剤も発売されています。但し、パラフェニレンジアミンを含まないものは、特定の色にしか染まりません。

白髪染めのかぶれと思っていても、他の成分や化粧品、シャンプーが原因になっていることがあります。そのため、決して自己判断をせずに、皮膚科専門医の診断を受けてください。